二重整形を考えたときに、
「埋没法と切開法、どっちがいいんだろう?」
と迷う方は多いと思います。
二重の整形手術には、大きく分けて二つの方法があります。
・糸で留めて二重のラインを作る二重埋没法
・皮膚を切開して二重のラインを作る全切開法
埋没法はダウンタイムが比較的短く、やり直しもしやすい一方、将来的にラインが薄くなったり、取れたりする可能性があります。
全切開法はダウンタイムが長く傷も残りますが、埋没法では作りにくい二重を作れることや、皮膚・脂肪の調整、目の開きの調整ができるという特徴があります。
そのため、単純に「どちらが優れている」というものではありません。
この記事では、埋没法と全切開法それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、どのような方にどちらの方法が向いているのか、実際に二重手術を行っている美容外科医の立場から解説します。
埋没法のメリット
全切開に比べ、圧倒的な「お手軽感」があるのが埋没法の大きな特徴です。
ダウンタイムが少ない
埋没法の最大のメリットは、ダウンタイムが少ないという点に尽きます。
最初の数日は少し腫れは出ますが、3日目からメイクが可能で、1週間ぐらいすれば、メイクすればだいぶごまかせるようになります。
内出血も出ることがありますが、メイクすれば隠せる程度のことが多いです。
お仕事をされている方であれば、5日前後ぐらいのお休みを取られる方が多いですが、職場にばれてもいいわ、という方であれば次の日からでもお仕事は可能です。

術直後→術後1週間→術後1か月
傷ができない
手術時に針孔を皮膚に開けますので、術後早期は目を閉じると針孔がわかります。
メイクができるようになるとだいぶごまかせますが、腫れがある間は針孔の部分が少しへこんでいるように見えます。
目を閉じた状態を近くでじーーーっと見られなければそれほど目立つものではありません。
腫れが引いてくると目を閉じたときのへこみは徐々に目立たなくなっていき、3か月ぐらいするとほぼわからないようになります。
最終的には、針孔が「傷」として目立つことはまずありません。

術直後、術後1週間、術後1か月の経過
デザイン通りに仕上がりやすい
「術後のイメージがつけやすい」とも言えます。
埋没法の手術前は、デザインの時にブジー(細い金属の棒)を当てながら、「このラインでいきましょうか?」と確認をします。
デザインしたラインの通りに糸をかけていけば、最終的な仕上がりはほぼ術前のデザイン通りになります。
まぶたの厚みや目の開き、眉毛の上げる強さによって、多少の幅のズレが出ることがありますが、ズレる要素を考慮しながらデザインしていきますので、大きくズレることはありません。
これは意外に知られていない埋没法のメリットです。

埋没法では、手術方法だけでなく、目元に合ったデザインを提案できるか、希望するラインを正確に作れるかも大切です。
症例写真の見方や、医師・クリニックを選ぶ際のポイントについて、実際の経験をもとに詳しく解説しています。
埋没法のデメリット
取れる可能性がある
やはりこれに尽きるでしょう。取れやすさには様々な要素(まぶたの厚み、作る二重幅、眉毛を上げるくせなど)が関係してきますが、将来的にラインが薄くなったり、取れたりする可能性があります。
「将来的に、ラインが薄くなる可能性があるもの」と考えていただいた方が良いです。取れてしまった場合でももう一度埋没を行うことはほとんどの場合で可能です。
作るラインに限界がある
ほとんどの方では埋没でラインを作ることはできますが、まぶたが非常に厚い方、眼瞼下垂がしっかりとある方では、埋没をしてもきれいなラインが出ません。
そのような方には、カウンセリングで埋没では厳しい理由をお伝えしています。その場合、他の施術をご提案することもあります。
全切開のメリット
全切開は埋没と比べるとかなりハードルは高い手術です。同じ二重手術というくくりでも、全く次元の違う手術です。
「埋没ではできないことができる」というのが、全切開手術の最大のメリットだと考えています。
皮膚や脂肪をしっかりと切除できる
皮膚のたるみが強い方、瞼の脂肪が多い方では、埋没の場合どうしてもできる二重のラインに限界があります。全切開の場合は、皮膚や脂肪を直接切除することができるので、埋没では出せないラインを出すことができます。

全切開二重手術 術前→術後6カ月
目の開きも調整することができる
はっきりと眼瞼下垂がある場合はやはり眼瞼下垂の手術(切開手術)をすることが望ましいでしょう。
手術するほどではないけど軽い眼瞼下垂があるような方でも、埋没をすると目の開きが弱く、目力が出なくて眠そうな印象になってしまうことがあります。
そういった方では、眼瞼下垂の手術をすることで、埋没では出せないぱっちりとした目、黒目がしっかり見えている目を作ることができます。

眼瞼下垂手術 術前→術後6カ月
ラインが長持ちしやすい
全切開手術も「絶対に取れない」というものではありませんが、埋没法と比べると、一度定着してしまえば、長期間持続しやすい傾向があります。
全切開のデメリット
ダウンタイムが長い
埋没と比べると決定的に違う点です。術後1週間は糸がついており、メイクができません。目安としては2週間~1か月ぐらいは結構腫れている、3か月である程度落ち着き、6カ月でメイクなしでもそれほど違和感がなくなってきます。ただ、6か月後と1年後でもわずかに変化してきます。お仕事をされている方は、かなり長めの休みを取れる時に検討されるとよいでしょう。
傷が残る
切開なので傷ができます。傷は最終的にかなり薄くなってきますが、消えることはありません。目を開けたときは二重のラインの底の部分に傷があるので見えませんが、目を閉じたときには薄いライン上の傷は残ります。傷は時間の経過とともにかなり目立ちにくくなりますが、傷の治り方には個人差があります。
取れることがある
上記で、全切開は長持ちしやすいと述べましたが、取れてしまうケースもまれにあります。
- 無理な幅の二重を作る場合
- もともとのまぶたがかなり厚い場合
- 眼瞼下垂があるのに全切開手術のみをした場合
などでは、術後数か月で二重のラインが緩んでくる、食い込みが浅くなってくることがあります。
全切開手術には
しっかりと固定をすると取れにくくはなるが、傷の食い込みが深くなり、不自然に見えやすくなる
逆に、自然さを追求すると食い込みが浅くなって二重が緩んでくる
という問題があります。
もちろん、その間のちょうど良いところ(取れにくく、自然に見える二重)を作るために我々は手術を行っているのですが、100%とはいかないのが現実です。
結局どっちがいいの?
上で述べた通り、それぞれにメリット、デメリットがありますので、どちらが良い、とは一概に言えません。
私の考えとしては
最初の手術は埋没
私の場合、初めて二重手術を受ける方には、まず埋没法をおすすめすることが多いです。
二重手術をすると、たとえ自然な二重であっても、元の顔から印象は変わります。「二重自体は全然きれいなんだけど、自分の顔に合わない気がして、元に戻したい」という方がごくまれにいらっしゃいます。
その場合、埋没であれば抜糸すればもとに戻せますが、切開の場合は戻せません。
万が一のことも考え、最初の手術は埋没がよいでしょう。
埋没でいけるなら埋没
「一度埋没を受けたけど取れてしまった、私の目に埋没は合わないのでしょうか?」とおっしゃる方もおられますが、ケースバイケースです。
確かにまぶたが厚く、埋没では難しそうだな、という方もおられますが、実際のところは、もう一度埋没をしても全然長持ちしそうな方が多い印象です。
以前の埋没のやり方によっても持続期間は大きく変わってくるので、やり方を変えるだけで全然長持ちする方はたくさんいらっしゃいます。
切開を覚悟してカウンセリングに来られた方でも、埋没で全然いけそうな方には埋没をお勧めしています。(切開の希望が強ければ切開を行うことが多いですが)
埋没で難しい場合に切開を検討
何度も埋没を繰り返してきている方で、もう埋没は嫌だ、と考えている方には全切開(または眼瞼下垂)手術をご提案することはあります。
確かに何度もやり直しをするのは辛いとは思いますので、切開手術は悪くない選択です。
また、上記で述べたように、埋没では難しい方には最初から切開手術を提案することもありますが、埋没のつもりで来たのにいきなり切開、と言われると戸惑ってしまう方がほとんどですので、じっくりと検討されるのがよいでしょう。
上記のメリット、デメリットを十分理解していただいた上で、全切開を行います。
埋没法・全切開法を検討している方へ
上記のように、埋没法と全切開法には、それぞれメリット、デメリットがあります。
実際にどちらが適しているかは、目の状態によって変わります。
それぞれの手術について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
よくある質問
Q. 埋没法と全切開、どちらにするか決めてから相談した方がいいですか?
いえ、大丈夫です。決めてから来ていただく必要はありません。
まぶたの厚みや目の開き、ご希望の二重によって、適している方法は変わります。
「埋没法でできるのか知りたい」「切開した方がいいのかわからない」という段階で相談に来ていただく方がむしろ良いでしょう。
診察で実際の目元を確認しながら、メリット、デメリットを説明しますので、相談をしましょう。
Q. 初めての二重整形でも全切開を選ぶことはありますか?
あります。
当院では、埋没法で希望する二重が作れそうな場合には、まず埋没法をご提案することが多いです。
ただし、まぶたがかなり厚い場合や、眼瞼下垂がある場合など、埋没法では希望するラインを作ることが難しいと判断した場合には、最初から切開法などをご提案することもあります。
Q. 埋没法を何回かしてから全切開にすることはできますか?
もちろん可能です。
実際に、埋没法を何度か受けたあと、ラインが薄くなったり取れたりすることを繰り返し、「次は切開法にしたい」と相談される方がほとんどです。
これまでの手術歴や現在のまぶたの状態を確認したうえで、埋没法をもう一度行うのか、切開法を検討するのかを判断します。
Q. 全切開なら二重は絶対に取れませんか?
全切開法でも、「絶対に取れない」とは言い切れません。
ただし、埋没法と比較すると二重のラインは長期間持続しやすい傾向があります。
どの方法でも、希望する二重幅やまぶたの状態を確認し、無理のないデザインを考えることが大切です。
Q. 平行型の二重にしたい場合は、全切開の方がいいですか?
埋没と全切開は、ラインの安定性や厚み、目の開きの調整という点で違いはありますが、二重の形に関してはまた別の問題になります。
埋没法で平行型になりにくい方は、全切開をしても平行になりにくいです。全切開で無理やり平行にすると余計に不自然になってしまいます。
平行になるかどうかは蒙古ひだの状態が大きく関係してきますので、検討するなら目頭切開の併用です。

