眉下切開の傷って、どうやってデザインするか知っていますか?
こういう形の切開ラインになります。
他院の症例写真を見たら、多少の違いはあるかもしれませんが、だいたいこういうイメージです。
どうやって決めるのか
まずは、眉毛の下に沿って切る上側の切開ラインを決めます。
そのあと、たるみの程度を見て、どの位置でどれぐらいの皮膚を切除するかを細かく計りながら、下側の切開ラインを決めていきます。
皆さん、たるみは主に外側に多いので外側をたくさん取ってくるようにデザインします。
するとだいたいこんな感じになります。
そして、赤で囲まれた部分の皮膚を切除した後、皮膚を縫合すると最終的にはこんな感じの傷になるのです。
でも、よく見てみると、上の切開ラインの長さと下の切開ラインの長さは微妙に違います。
上の方は比較的なだらかな曲線ですが、下の方はちょっとグニャグニャ曲がっています。
上の長さが40ミリだとすると、下の長さは43ミリぐらいになるかもしれません
(切開のデザインによってこの長さは変わりますので、これはあくまでも一例です)
そして、この傷を普通に端から順番に縫っていくと・・・
端の方で合わなくなります。下の方が3ミリ長いので、その3ミリ分が端に全部たまってしまいます。これでは不細工です。
こうなってしまったら糸を全部外して縫い直しが必要です。このまま放置なら間違いなくクレームです。
では、こうならないように、どういう工夫をしているのでしょうか?
(僕のやり方ですが)まずは両端を合わせます。
両端に余りが来てしまうと傷の見栄えが悪くなりますので。
皮下縫合といって、皮膚のギリギリ下を糸が通るような縫合で行います。(皮膚からは見えません)
ただ、、これも端を合わせればいいというものではなく、合わせ方が少しずれてしまうと、目の方に向かって変な線ができてしまいます。
こんな感じに・・・
麻酔で腫れている時はこういう感じになることもありますが、この線は結構最後まで残ります。
ダウンタイムが終了しても残ります。
こうならないように、ちょうどよい位置に端を合わせるのです。(この作業が一番気を遣う場面です)
端がきれいに揃っても、真ん中にはまだ上と下の差は3ミリ残ってますよね。
どうするのか?
まずは上と下の真ん中同士を合わせます。
こんな感じで・・・
さらに、そのまた真ん中同士を合わせます。
そしてさらに真ん中を合わせてみましょう
あれ?だいぶ上下の差が目立たなくなってきたぞ
さらに真ん中を合わせると・・・
よーく見たら、まだやはり少し上下のずれは残っていますが、ぱっと見はかなり一直線に近くなってきましたね。
ちなみに、この絵の×マークは皮下縫合の部分を示しているだけなので、表からは見えていません。
実際の見え方はこんな感じになります。
こんな感じで、よーーく見たらまだ隙間が少しあるかな、ぐらいになっています。
この状態で、最後に皮膚を細かく縫合していくと、このちょっとの隙間がきれいに埋まっていきます。
ほんのわずかの隙間なら、術後に傷が治る過程で皮膚がうまく伸びてきてきれいに埋まってくれます。
綺麗な1本の線になりました。
最初は3ミリぐらいあった上下の傷の長さの差を、ちょっとずつ分担していくことで目立たなくして、最後の最後は皮膚の治る力が、残ったわずかな隙間を埋めてくれて綺麗に仕上がる、という感じです。
この方法で縫合をすれば、目の方に向かう変な線ができることはまずありません。傷の両端に変なふくらみができることもまずありません。
眉下切開は、上まぶたのたるみを改善するには非常に有効な手術です。
傷が最初目立つのが最大のネックですが、それを上回るメリットは十分にある、とても良い手術だと思っています。
気になっている方は一度カウンセリングへお越しくださいね。
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眉下切開
加齢とともに二重が狭くなってきた場合や、腫れぼったいまぶたをすっきりとさせたい場合、眉下切開法がオススメです。
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